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100万円でオープン、2カ月で全額回収…小さなラーメン店だからできる「儲け方」
一般的に、飲食店を開業するには多額の初期投資が必要となる。しかし、カウンター数席のみでも成り立つラーメン店は、100万円台でも始めることができる。副業として始める人も多い「ラーメン店投資」というビジネスモデルを推進する「ラーメンプロデューサー」藏本猛Jr氏が、手がけた事例を元に、小さなラーメン店ならではの儲け方を語る。
小さな「居抜き」物件なら安く始められる
私がプロデュースしたラーメン店の中で最も安い事例では、約100万円でオープンできました。都内の物件で、面積は11坪、カウンターのみで8席、家賃は11万円です。
元がラーメン店だったため、設備をそのまま使えて内装改装費はゼロ、初期投資金額としては、看板代に60万円、そのほか人材募集費と教育費と広告宣伝費で40万円、合計100万円で済んだのです。
このように、設備や備品、内装などがついたままで売買・賃貸借される物件を「居抜き」物件と呼びます。初期投資金額を抑えるなら、居抜き物件を選ぶのがよいでしょう。
小さなラーメン店は、カウンター内を一人で切り盛りするワンオペが可能になるので、人件費を抑えられます。家賃が安く、水道光熱費もあまりかからないため、毎月の諸経費も少なくて済みます。初期投資金額が少なく、毎月の利益率が高くなるため、回収も早くなります。
このお店は、オープン初月は200万円以上の売上を上げました。そこから家賃や人件費や食材費や広告宣伝費などを引いても、50万円以上の利益がオーナーさんの手元に残ったはずです。
つまり、オープンから2カ月で初期投資額を回収して、3カ月目からは利益がそのままオーナーさんの収入になっています。仮に初期投資金額が100万円で利益が毎月10万円だとしても、年間120万円の利益ですから、年利で20%の高利回りになります。
初期投資金額を回収するまでの期間は、この事例にように早ければ2~3カ月、平均では2~3年くらいです。つまり、通常は年利で30~50%くらいを見込むことができます(現在は新型コロナウイルスが流行中なのでもう少しかかります)。
小さなラーメン店のメリット
カウンター8席だけというのは、飲食店としては小規模と感じるかもしれませんが、ラーメン店としては決して珍しい形態ではありません。もっと小さな店舗で営業しているラーメン店も数多くあります。
実は、店舗が小さいことにはメリットがたくさんあります。前述したように諸経費を抑えられることに加えて、注目すべきなのは、いつも混んでいる人気店を演出できることです。
小さなラーメン店では、一度に多くのお客様にサービスを提供できないという弱点があるのですが、これを逆にうまく利用するのです。
雑誌やテレビで定期的にラーメンの人気店が特集されていることからもわかるように、日本人はラーメンそのものが好きであると同時に、「人気店」が大好きです。
行列ができているお店を見た人は、「並ぶのは面倒だから別の店にしよう」ではなく、「こんなに混んでいるのだから、人気店なんだな。きっとおいしいに違いない」と考えます。
そして行列に並んでくれるか、「今度食べに行こう」と覚えて次の機会に来てくれるのです。小さなラーメン店では行列ができやすいため、それが広告宣伝効果をもたらします。ことラーメン店に限って言えば、行列は悪ではありません。
店舗が中途半端な広さの場合には、店外に行列ができ、店内はワンオペで回せるように、あえて座席の数を少なめに設計することもあります。なおその際、座席の数は後から増やせるようにしておきます。
通常のコンサルタントであれば「お客様の回転率を上げましょう」と指導するところを、私は逆に、適度に回転率を下げて行列を作ることで、人気店を演出し、結果として実際に人気店にしているのです。
新聞折り込みチラシの集客力
どんなにおいしいラーメンを用意しても、そして素敵なラーメン店を作っても、そこにお店があることが誰にも知られていなければお客様は来てくれません。お店を新しくオープンさせるのであれば「おいしいラーメン店ができました!」という広告宣伝は必須です。
日本人はラーメンが大好きなので、近所に新しいラーメン店ができたとなれば、一度は食べに行ってみようと思うものです。そして、食べてみておいしかったら、また次も来ようと考えてくれます。
その中から、毎日のランチのローテーションの中に入れてくれる常連客をどれだけ作り出せるかが、ラーメン店の成否の分かれ目です。私はラーメンの味には自信がありますから、一度でも来店していただければ、リピーターになる方が一定の割合で出てくることには疑いを抱いていません。
しかし、一度も来ていただけていない方は、リピーターにしようがありません。そこで、最初は広告宣伝をしっかりと打って、お客様を獲得する必要があります。
そこで私がいつも行っているのが、新聞折り込みチラシによる「オープニングセール」の告知です。オープンから2日間をセール日として、たとえば通常780円のラーメンを、セール期間中は500円で提供します。
新しいお店で、食べたことのない味という期待感と、セールによるお得感がお客様を刺激して、通常、オープニングセールの2日間はずっと満席が続きます。
お客様がリピーターになってくれるかどうかは、このセール時にどれだけ満足できたかにかかっています。通常営業に移行しても、最初のスタートダッシュがあって、行列のできるラーメン店のイメージを近隣の人に刷り込んでいるので、業績は好調に推移します。
私の経験上、オープニングセールの新聞折り込みチラシは、ある程度大量に撒けば2%〜3%の集客につながります。たとえば1万枚を撒けば200~300人の来客を見込めます。
この集客率の話をすると、「じゃあ5万枚撒いて1000人集めよう」と言う方もいますが、自分のお店でさばききれる来店人数にしなければ、お客様に迷惑をかけてしまいます。何事もバランスが肝心です。
先ほどの事例では、300人を目標として、1万枚のチラシを撒きました。実際のオープン初日は200人以上の来客がありました。このお店はつけ麺専門店だったので、通常のラーメン店よりは集客を見込めないのですが、200人以上来ていただいたというのは上出来です。